20年後、国民年金・厚生年金・健康保険はどうなるのか?

編集部投稿者:

はじめに

「今の年金制度は20年後も維持されるのだろうか」

多くの人が抱いているこの問いに、本記事では人口動態というほぼ確定した未来のデータをもとに向き合います。

本当に考えるべきは、年金制度そのものではありません。年金、医療、介護を支える人口が今後どれだけ減るのか、という構造問題です。

日本は世界でも類を見ないスピードで少子高齢化が進んでいます。総人口は減少し続ける一方、高齢者人口は当面増加を続けます。つまり「支える側は減り、支えられる側は増える」という構造が固定化されていきます。

この状況で現在と同じ給付水準を維持することは極めて困難です。その結果として、支給開始年齢の引き上げ、給付水準の抑制、社会保険料の上昇、医療費自己負担増といった変化が現実のものとなっていきます。

本記事では、2045年前後の日本社会を想定しながら、国民年金、厚生年金、健康保険制度がどのように変化していくのかを、公的機関のデータをもとに考察します。なお、本記事は将来予測であり、実際の制度改正を断定するものではありません。

第1章 日本の社会保障制度の現状

日本の社会保障制度は主に、年金、医療、介護、福祉の4本柱で構成されています。財政規模が大きいのは年金と医療です。

年金制度は、現役世代が支払う保険料によって高齢者へ給付する賦課方式を基本としています。積立金(GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人が運用)も存在しますが、基本的には現役世代の負担によって制度が維持されています。

健康保険も同様です。現役世代が保険料を支払い、その財源を用いて医療サービスが提供されています。

制度自体は世界水準から見ても高く評価されています。長寿、低い乳児死亡率、国民皆保険を同時に実現している国は多くありません。しかし問題は制度の優秀さではなく、人口構造の変化です。高度成長期に設計された制度は「働く人が増える」ことを前提としていました。現在はその前提が崩れています。

第2章 現在の財政状況はどうなっているのか

日本の一般会計歳出の中で最大規模を占めるのが社会保障関係費です。2025年度予算では、医療・年金・介護などを合わせた社会保障関係費は38兆2,938億円(一般会計総額115兆5,415億円の一般歳出の約56%)に達しており、過去最高を更新しました(出典:財務省「令和7年度予算」2025年)。なお当初予算案では38兆2,778億円でしたが、国会審議における高額療養費制度の見直しに伴う予算修正を経て最終的に同額となっています。

高齢化が進むたびに年金給付、医療費、介護費が増加します。一方、人口減少によって税収基盤は縮小します。支出は増える一方、収入は減るという構造です。この不足分を補うために国債発行が続いてきましたが、債務残高を無限に増やすことはできません。最終的には給付削減、負担増、税負担増の組み合わせが避けられない状況にあります。

第3章 なぜ年金・医療制度は厳しくなるのか

人口動態から考える

制度の将来を考える上で最も重要な指標が人口動態です。経済予測は外れることがあります。政治も変わります。しかし2045年の高齢者人口はほぼ確定しています。2045年に高齢者になる人々はすでに生まれているからです。

出生率が突然回復しても2045年の高齢者数は変わりません。一方で現役世代人口は確実に減少します。「支える人数は減り、支えられる人数は増える」という未来は、高い確率で到来します。これは制度改革だけでは解決できない構造問題です。

第4章 2045年の日本人口予測

国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると、2045年の日本の総人口は出生中位推計で約1億880万人と予測されています。2020年の1億2,615万人から約13%減少する計算です(出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」2023年4月)。

一方、75歳以上人口は高水準を維持します。同研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」によると、2045年には75歳以上人口割合が2割を超える道府県が43に上るとも試算されており、特に地方では深刻な水準に達します(出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」2023年12月)。

多くの地方自治体で人口20〜30%減少、生産年齢人口(15〜64歳)の大幅な減少が現実となります。現在10万人規模の自治体でも2045年には7万人程度になっている可能性があります。しかし高齢者数はそれほど減らないため、自治体財政は極めて厳しくなります。

第5章 現役世代1人当たりの負担はどう変わるのか

社会保障制度の本質は人数の問題です。100人の高齢者を100人の現役世代で支えれば、1人当たり負担は1です。しかし100人の高齢者を80人で支えれば、負担は1.25、すなわち25%増になります。人口減少社会ではこの現象が続きます。

結果として、社会保険料の上昇、消費税の引き上げ、医療費自己負担増という圧力が高まります。企業にとっても大きな問題で、社会保険料は実質的な人件費であるため、給与が上がらなくても社会保険料が上がれば企業負担は増加します。

第6章 20年後の国民年金はどうなるのか

国民年金は基礎年金としての役割を担っています。20年後も制度そのものがなくなる可能性は低いでしょう。老後の最低生活保障機能を担っているためです。しかし給付水準は現在より実質的に低下する可能性があります。

マクロ経済スライドの影響

その理由がマクロ経済スライドです。2004年の年金制度改正で導入されたこの仕組みは、賃金や物価による改定率から「スライド調整率(現役の被保険者の減少率×平均余命の伸びを反映した率)」を差し引くことで、年金給付水準を抑制します(出典:厚生労働省「マクロ経済スライドについて」)。制度維持のために不可欠ですが、受給者から見れば実質的な給付減となります。

2024年に実施された5年に1度の財政検証によると、マクロ経済スライドの調整期間は経済シナリオによって大きく異なります。ベースケースとされる「成長型経済移行・継続」シナリオでは2037年度に終了し、所得代替率(現役世代の平均手取り収入に対する年金給付水準の比率)は現在の61.2%から57.6%程度に低下する見込みです。一方、過去30年と同程度の低成長が続く場合は調整が2057年度まで長期化し、所得代替率は50%程度を維持するとされています。いずれのシナリオでも現在より給付水準の抑制は避けられません(出典:厚生労働省「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」2024年7月)。

支給開始年齢の議論

支給開始年齢についても今後議論が続くとみられます。現在の基準は65歳ですが、2045年には67歳や68歳への引き上げが政策議論の中心になっていても不思議ではありません。なお現行制度では、繰り下げ受給制度により最大75歳まで受給を遅らせることが可能です(2022年度改正)。将来的には選択肢のさらなる柔軟化が進む可能性もあります(出典:日本年金機構「年金の繰下げ受給」)。

第7章 20年後の厚生年金はどうなるのか

厚生年金は国民年金よりも比較的安定していると言われています。加入者が多く、積立金(GPIF)も大きいためです。しかし無傷ではありません。

まず適用拡大が進む可能性があります。短時間労働者へも適用範囲が段階的に拡大されており、今後も対象者は増えるとみられます。また高所得者の保険料負担強化も予想されます。これは制度維持のために比較的実施しやすい政策です。

一方で企業負担も増加します。厚生年金保険料は企業と従業員が折半しているためです。今後の企業経営では、採用人数を増やすモデルよりも、1人当たり生産性を高める方向への転換がさらに重要になります。人口減少社会では、人を確保すること自体が難しくなるからです。

第8章 20年後の健康保険制度はどうなるのか

年金以上に大きな変化が予想されるのが健康保険制度です。高齢者ほど医療費が高くなるためです。

厚生労働省のデータによると、15〜69歳の現役世代の1人当たり医療費を1とした場合、70〜74歳は約2.7倍、80〜84歳は約3.8倍、85歳以上は約4.6倍に達します(出典:厚生労働省「第201回社会保障審議会医療保険部会」資料)。なお最新の2024年度医療費の概算では、75歳以上の1人当たり医療費(約97万4千円)は75歳未満(約25万4千円)の3.8倍程度に上り、その比率は今後さらに上昇する見込みです(出典:厚生労働省「2024年度医療費の動向」2025年)。

後期高齢者(75歳以上)が増加すれば医療費総額も増加します。しかし保険料を支払う現役世代は減少します。このため2045年頃までに保険料率の上昇、高齢者負担の増加、保険適用範囲の見直し、予防医療の重視といった変化が起きる可能性があります。

特に注目されるのは保険適用範囲です。現在は幅広い医療行為が保険対象ですが、将来的には費用対効果が低いと判断される医療の一部が対象外となる可能性があります。また遠隔診療やAI診断支援の普及により、医療制度は「治療中心」から「予防中心」へと移行していく可能性があります。

第9章 医療費自己負担はどこまで増えるのか

将来的な制度改革で最も現実的な選択肢が自己負担割合の引き上げです。制度の根幹を変えるよりも実施しやすいためです。

すでに2022年10月から、一定所得以上の75歳以上の方の自己負担割合が1割から2割に引き上げられました。今後も段階的な負担増が予想されます。

現行は「現役世代3割、高齢者1割または2割(所得に応じ3割)」という枠組みですが、将来的に高齢者の2割負担が基本となる方向への移行が議論される可能性があります。もちろん低所得者への配慮は残るでしょう。しかし医療技術が高度化し医療費が増加する中で、利用者にも応分の負担を求める方向性は強まると考えられます。

第10章 介護保険制度はどうなるのか

2045年の日本を考える際、介護問題は避けて通れません。団塊ジュニア世代(1971〜74年生まれ)が高齢期を迎え始めるため、介護需要は現在よりさらに増加します。一方で介護人材は不足します。すでに多くの地域で介護職員不足が深刻化しており、20年後にはさらに悪化する可能性があります。

結果として、利用者負担の増加、サービス内容の見直し、AI・ロボット活用が進むとみられます。介護保険制度そのものは維持されると見られますが、利用できるサービス内容は現在より限定的になる可能性があります。特に地方部では施設維持そのものが困難になる地域も出てくるでしょう。

第11章 自治体財政に起きる変化

社会保障制度の変化は自治体経営に直結します。人口減少によって税収が減少する一方、高齢者福祉、医療支援、介護支援の支出は増加し続けるためです。

多くの自治体では今後、「何を維持し、何を縮小するのか」という選択を迫られます。高度成長期に整備した道路、水道、公共施設も更新時期を迎えます。人口が減少する中で全てを維持することは困難であり、公共施設の統廃合、コンパクトシティ化、行政サービスの集約が進むとみられます。

社会保障制度の問題は国だけの課題ではありません。自治体の持続可能性そのものに直結するテーマです。

第12章 中小企業経営への影響

中小企業への影響は非常に大きいものになります。最大の問題は社会保険料です。現在でも企業は給与とは別に厚生年金や健康保険料を負担しています。今後、制度維持のために保険料が上昇すれば、人件費はさらに増加します。従業員10人規模の企業でも、年間数百万円単位の負担増になる可能性があります。

加えて、労働人口の減少による採用難も深刻化します。つまり企業は、採用難、人件費増、社会保険料増という三重の圧力に直面します。これまでのような労働集約型モデルは維持が難しくなるため、DX推進、AI活用、業務自動化への投資が経営上の必須課題となります。社会保障制度の未来は、人事戦略やDX戦略とも直結するテーマです。

第13章 若者・現役世代の生活はどう変わるのか

最も大きな影響を受けるのは現役世代です。負担増加が続く一方で、給付への期待は低下します。将来的には「公的年金だけで老後を支える」という考え方が難しくなる可能性があります。

結果として、NISA(少額投資非課税制度)、iDeCo(個人型確定拠出年金)、企業型DCなどの私的年金・資産形成手段の重要性が一層高まります。また働き方そのものも変化します。65歳定年ではなく、70歳前後まで就労することが一般的になる可能性があります。健康寿命が延びれば、長く働くことが自然な形になる時代も現実味を帯びてきます。

第14章 年金支給開始年齢は70歳になるのか

将来予測で必ず議論になるのが支給開始年齢です。現在の基準は65歳ですが、平均寿命は伸び続けています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2045年には男性の平均寿命が約85.1歳(85.06年)、女性が約91.1歳(91.13年)に達すると推計されており(出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」2023年4月)、65歳から30年以上受給する人も増えています。

そのため67歳、68歳への引き上げ議論が継続する可能性があります。ただし注意すべき点があります。実際には「一律70歳」への引き上げよりも、選択肢の拡大という形になる可能性が高いことです。すでに現行制度では60〜75歳の間で受給開始を選択できます。将来的にはさらに柔軟な制度に移行する可能性もあります。政治的に支給開始年齢の引き上げは極めて難しいテーマですが、人口動態の現実を踏まえれば議論自体は避けられないでしょう。

第15章 ベーシックインカムは導入されるのか

社会保障制度の将来を議論するとき、必ずと言ってよいほど登場するのがベーシックインカム(BI)です。所得や就労状況に関係なく、国民全員に一定額を給付する制度です。

支持論者は、行政コストの削減、貧困対策、少子化対策、AIによる雇用減少への対応などを期待しています。一方、最大の課題は財源です。仮に国民1人当たり月7万円を給付するとすれば、年間約100兆円規模の財源が必要になります(1.2億人×7万円×12ヶ月≒100.8兆円)。現在の社会保障給付費全体(2025年度予算ベース140.7兆円)の約7割に相当する規模であり、一般会計社会保障関係費のおよそ2.6倍にも上ります。

そのため2045年までに完全なベーシックインカムが実現する可能性は高くありません。しかし児童向け給付の拡充、低所得高齢者向け給付、地方居住者向けの経済的支援など、部分的・選択的な制度拡充は十分考えられます。AIやDXによって行政コストが大幅に下がれば、新しい所得再分配の仕組みが生まれる可能性もあります。

今後20年間の重要な論点は、BI全面導入そのものよりも、「どのような形で最低生活保障を維持するのか」という議論の方向性です。

第16章 外国人労働者と移民政策は社会保障を支えるのか

人口減少問題の解決策として期待されるのが外国人労働者の受け入れです。実際に日本国内の外国人就労者数は増加傾向にあり、介護、建設、物流、農業、製造業などでは重要な戦力となっています。

社会保障制度の観点から見れば、現役世代が増えることは制度維持にプラスです。しかし過度な期待は禁物です。理由は3点あります。第一に、外国人も時間の経過とともに高齢化します。第二に、アジア諸国でも賃金水準が上昇しており、世界的な人材獲得競争が激化しています。第三に、日本の人口減少の規模が非常に大きく、労働移動だけで補うことは容易ではありません。

外国人労働者の活用は重要な政策の一つですが、それだけで社会保障問題を解決できるわけではありません。生産性向上、DX推進、労働参加率の向上との組み合わせが不可欠です。

第17章 AIとDXは社会保障危機を救えるのか

社会保障制度を議論するとき、多くの人が人口問題に注目します。しかし今後20年で大きく変わる可能性があるのが生産性です。AIはすでに事務処理、問い合わせ対応、診断支援、行政手続きなどの分野で活用が始まっています。

自治体分野では窓口業務の自動化、文書作成支援、福祉相談支援の自動化が進む可能性があります。医療分野でも画像診断支援、遠隔医療、予防医療の高度化が広がるとみられます。

人口減少そのものを止めることはできません。しかし人口減少による影響を小さくすることは可能です。自治体も企業も、「人が減る未来」を前提に経営・行政運営を設計する必要があります。20年後の社会保障制度を支える最大の技術基盤はAIとDXになる可能性があります。

第18章 2045年の日本社会保障制度シナリオ

将来は一つではありません。ここでは楽観シナリオ、標準シナリオ、悲観シナリオの3つを整理します。

楽観シナリオ

出生率の緩やかな改善、AIによる生産性向上、医療DXの進展、外国人労働者の受け入れ拡大が組み合わさった場合です。この場合、社会保障制度は基本的に維持されます。給付水準は若干抑制されますが、大幅な制度変更は避けられる可能性があります。2024年財政検証のベースケースはこれに近い経済想定です。

標準シナリオ

最も可能性が高いと考えられるシナリオです。年金の実質給付水準の緩やかな低下、支給開始年齢引き上げの議論継続、医療費自己負担の段階的増加、介護負担の増大が進みます。制度は維持されますが、現在より負担は増え、給付は抑制されます。

悲観シナリオ

出生率の低迷、経済成長の停滞、地方人口の急減が重なった場合です。大幅な給付削減、消費税の引き上げ、社会保険料の上昇が同時に必要になる可能性があります。財政検証の「過去30年投影」ケースがこの方向性に近く、マクロ経済スライドの調整が2057年度まで長期化し、所得代替率が50%程度まで低下するシナリオが対応します。

重要なのは、日本がどのシナリオに近づくかは今後の政策と生産性向上次第であるという点です。

第19章 企業経営者が今から準備すべきこと

社会保障制度の変化は、経営課題として捉える必要があります。経営者が注視すべきは年金額ではなく人件費の構造変化です。今後20年間で、賃上げ圧力、社会保険料増、採用難が同時進行する可能性があります。

第一に取り組むべきは生産性向上です。従業員数の増加ではなく、1人当たりの付加価値の増加を目指す経営モデルへの転換が求められます。第二にDXです。事務作業を自動化し、少人数でも高い成果を生む体制を整えることが急務です。第三にシニア人材の活用です。70歳前後まで働く人が増える社会では、シニア層の知見を活かす人事制度の整備も重要になります。

人口減少社会では、「人を増やす経営」から「人が少なくても成長できる経営」への転換が求められます。

第20章 自治体が今から準備すべきこと

自治体にとって社会保障問題は最大級の経営課題です。人口減少が進む中で、税収減少、高齢者人口の増加、職員不足が同時進行します。

今後重要になるのは「人口増加時代の行政モデル」から「人口減少時代の行政モデル」への転換です。そのためには公共施設の再編、行政DXの推進、医療・介護連携の強化、コンパクトシティ化の推進が必要になります。

また自治体間連携も不可欠です。単独自治体だけでは維持できないサービスが増える可能性があります。20年後を見据えたとき、自治体経営のテーマは「成長」ではなく「持続可能性」です。人口が減っても住民サービスを維持できる仕組みづくりが求められます。

まとめ

20年後の日本で、国民年金、厚生年金、健康保険制度が消滅する可能性は高くありません。しかし現在と全く同じ姿で存在している可能性も低いでしょう。

人口減少と高齢化はほぼ確定した未来です。国立社会保障・人口問題研究所の推計では2045年の総人口は約1億880万人(出典:「日本の将来推計人口(令和5年推計)」)。その結果として、年金給付水準の抑制、支給開始年齢引き上げの議論、医療費自己負担の増加、介護負担の拡大は避けにくい情勢です。

一方で、未来は悲観一色ではありません。AIやDXによって生産性を向上させる余地は大きく残っています。企業は少人数で高い付加価値を生む経営へ、自治体は人口減少時代に対応した持続可能な行政へと転換していく必要があります。

社会保障制度改革は単なる福祉政策ではありません。企業経営、自治体経営、地域社会のあり方そのものを変えるテーマです。2045年を迎える頃、日本社会は大きく姿を変えているでしょう。その変化に対応できるかどうかは、今後10年間の準備にかかっています。

主要参考資料

  • 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(2023年4月)
  • 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」(2023年12月)
  • 財務省「令和7年度予算」(2025年)
  • 厚生労働省「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」(2024年7月)
  • 厚生労働省「マクロ経済スライドについて」(日本年金機構)
  • 厚生労働省「第201回社会保障審議会医療保険部会」資料(年齢別医療費データ)
  • 厚生労働省「2024年度医療費の動向(概算医療費)」(2025年8月)
  • 厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等について」(令和3年法律改正)
  • 日本年金機構「年金の繰下げ受給」