投稿者: 「BIツール」主要7サービスをまとめて比較・紹介します。
皆さまが、データ分析基盤の導入や乗り換えを検討する際の参考になれば幸いです。
そもそもBIツールとは？
BI（ビジネスインテリジェンス）ツールは、企業のさまざまなデータを収集・統合・可視化し、意思決定を支援するソフトウェアです。
Excelなどの手作業では扱い切れない大量のデータをリアルタイムで分析し、グラフやダッシュボードでわかりやすく表示できます。これにより、経営陣や現場担当者が迅速かつ正確に意思決定を行えるようになります。
注目のBIツール7選
注目のBIツール7選をご紹介します。
1. Tableau Cloud｜Salesforceの一部門
直感的な操作が可能で、豊富なチャートタイプを提供。多くのデータソースに対応し、ユーザーコミュニティも活発です。
特長
✅Salesforceが提供するBIツール。もとは「Tableau」として独立した企業でしたが、2019年に買収され、現在はSalesforceの一部門。
✅クラウド環境で動作し、直感的な操作性と強力な可視化機能が魅力。
✅Webブラウザやモバイルアプリから、ダッシュボードやレポートを簡単に作成・共有可能。
✅SalesforceやEinstein AIとの連携が進んでおり、将来的にも機能拡張が期待できる。
主な機能
✅クラウドでの共有・コラボレーション
ダッシュボードをクラウドにパブリッシュし、リアルタイムでメンバーやクライアントに共有。
✅Web上での操作・編集
プログラミング不要でダッシュボードの修正・新規作成が可能。
✅クラウドでのデータ管理が簡単
データモデルを一元管理し、メール配信などで最新データを自動通知。
✅アップデート不要
常に最新バージョンが適用され、メンテナンスコストを削減。
料金プラン（2025年2月現在 / 1ユーザーあたり月額・年単位請求）
| プラン | 料金 | 特長 |
| Enterprise Creator | ¥13,800 | 高度なデータ分析・管理機能をすべて利用可能 |
| Enterprise Explorer | ¥8,400 | ビジネスユーザー向けのセルフサービス分析 |
| Enterprise Viewer | ¥4,200 | レポート閲覧専用、ダッシュボードの操作・確認に特化 |
＊20%オフ割引（「TABSAVE20」）が適用可能
＊無料トライアルあり
導入企業の事例
💡ヤマト運輸：BI専門チームが各事業部門を支援し、データドリブン経営を推進。
💡カプコン：ゲーム開発現場での分析・改善提案に活用し、チーム間の連携強化を実現。
2. Microsoft Power BI｜Excelとの連携が強力
Excelとの連携が強力で、コストパフォーマンスに優れたBIツール。リアルタイムデータの分析が可能です。
特長
✅Microsoftが提供するBIツールで、Microsoft 365（Excel、Teamsなど）との連携が強み。
✅直感的な操作性とドラッグ&ドロップによる簡単なレポート作成が可能。
✅モバイルアプリ（iOS/Android）対応で、外出先でもリアルタイムにデータを確認。
✅AzureやDynamics 365など、Microsoftのクラウドサービスとの親和性が高い。
料金プラン
| プラン | 料金 (1ユーザー/月) | 特長 |
| 無料アカウント | ¥0 | 対話型レポートの作成が可能 |
| Power BI Pro | ¥1,499 | レポートの共有やコラボレーションが可能 |
| Power BI Premium Per User | ¥2,998 | 大規模データや高度なAI機能に対応 |
| Microsoft FabricでのPower BI | 変動制 | 有料ライセンスなしでも共有が可能 |
＊無料でスタートできるため、小規模な分析から大規模導入まで柔軟に拡張可能。
導入企業の事例
💡Kraft Heinz：必要なデータがすべて集約され、顧客分析を強化。
💡Marks & Spencer：データを1カ所に統合し、ダッシュボード作成のスピードを向上。
3. Zoho Analytics｜AI搭載のセルフサービスBIツール
設定が簡単で、500以上のビジネスツールと連携可能。ドラッグ＆ドロップでの操作が直感的です。
特長
✅Zoho社が提供する、AI搭載のセルフサービスBIツール。
✅500以上のデータソースに対応し、クラウド・オンプレミスいずれでも運用可能。
✅会話型AIアシスタント「Ask Zia」を搭載し、テキストで質問するだけで必要なレポートやインサイトを取得可能。
✅コストパフォーマンスが高く、中小企業やスタートアップに人気。
料金プラン（一例：月額）
| プラン | 料金（税抜） | 特長 |
| 無料プラン | ¥0 | 2名まで利用可能 |
| Basic | ¥2,500〜 | 10万行のデータまで対応 |
| Standard | ¥5,000〜 | 5ユーザー、最大50万行のデータを扱える |
| Premium | ¥12,000〜 | 15ユーザー、より大規模な分析に対応 |
| Enterprise | ¥30,000〜 | 無制限ユーザー、エンタープライズ機能を搭載 |
＊5日間の無料トライアルあり
＊AI分析や異常検出機能で、データサイエンスの専門家がいなくても高度な分析が可能。
導入企業の事例
💡製造業（企業A）：IoTセンサーをリアルタイム分析し、生産効率が20%向上。
💡ECサイト（企業B）：購買履歴をAI分析し、在庫管理やパーソナライズが改善。
4. Domo｜企業規模に応じたライセンス形態を用意
データの視覚化が容易で、複数のWebアプリケーションと連携可能。特に中小企業に適した機能を備えています。
特長
✅リアルタイム分析に特化したBIツールで、自動化機能が充実。
✅Excelのような手動集計を排除し、ダッシュボードを常に最新データに更新。
✅AI・機械学習(ML)を活用し、KPIの予測・変化を自動検知。
✅ユーザー数無制限プランなど、企業規模に応じたライセンス形態を用意。
料金プラン
| プラン | 特長 | 価格 |
| 無償トライアル | 30日間、全機能を無料で利用可能 | 無料 |
| スタンダード | 小規模チーム向け。ユーザー数無制限・基本サポート付き | 要問い合わせ |
| エンタープライズ | 大規模組織向け。専用カスタマーサポート・優先サポート付き | 要問い合わせ |
| ビジネスクリティカル | ビッグデータ・高度なセキュリティ対応。プライベートAWS等 | 要問い合わせ |
＊データ接続数・ETL実行数などに応じて消費される「クレジット制」を導入（詳細は要問い合わせ）。
＊30日間無償トライアルがあるため、まずは実際の運用イメージをつかみやすい。
導入企業の事例
💡eBay：Domoで分析環境を一元化し、意思決定のスピードを向上。
💡グローバルメディア企業：データ分析プロセスを自動化し、高精度の予測が可能に。
5. Qlik｜セルフサービス型のBIツール
自然言語処理を活用した分析が特徴で、セルフサービス型のBIツールとして人気があります。
特長
✅AI・機械学習に強みを持つ次世代型BIツール。
✅Qlik Associative Engine™により、ユーザーは自由にデータを“探索”できる。
✅外部AIサービス（OpenAI、Azure MLなど）とも連携して、リアルタイムの予測分析が可能。
✅クラウド・オンプレミス・ハイブリッド環境に対応し、大企業から中堅企業まで幅広く導入実績がある。
主な機能
🔹 Qlik AutoML：コード不要で機械学習モデルを作成し、予測分析を実行。
🔹 Qlik Answers：生成AIを活用し、自然言語での質問に対して最適な回答を提案。
🔹 What-if分析：仮定シナリオを設定し、将来的なリスクや機会をシミュレーション。
料金プラン（一例）
| プラン | 月額 | データ容量 | ユーザー数 | 主な機能 |
| Standard | $825 | 25GB | 20人 | 基本的なBI機能 |
| Premium | $2,700 | 50GB | 最大10万人 | 予測分析・AI機能を搭載 |
| Enterprise | 要見積もり | 500GB～ | 最大10万人 | 大規模エンタープライズ対応 |
＊24時間365日のカスタマーサポート付き
＊大手企業（Ford, PayPal, Deloitteなど）の導入実績が豊富
6. Looker Studio｜Googleが提供するBIツール
Googleが提供するBIツールで、無料で利用できる点が魅力。データの共有が簡単です。
特長
✅Googleが提供する無料のBIツール。かつての「Google Data Studio」がリブランディングされたもの。
✅800以上のコネクタが用意され、Google AnalyticsやBigQuery、スプレッドシートなどと連携が容易。
✅ドラッグ&ドロップでレポートを作成でき、チームでの共同編集もスムーズ。
✅Google CloudのAI/MLと連携し、より高度な分析・ダッシュボード化も可能。
料金プラン
| プラン | 価格 | 主な機能 |
| Looker Studio | 無料 | 基本的なデータ可視化・レポート機能 |
| Looker Studio Pro | 1ユーザーあたり$9/月 | チームコンテンツ管理、追加サポート等 |
＊ほぼすべての機能が無料で利用できるため、個人利用や小規模プロジェクトに最適。
＊企業向けのLooker Studio Proでは、管理機能・サポートが強化される。
7. Yellowfin｜日本の大手企業のDX化に貢献
複数の利用者でのデータ共有が便利で、セキュリティ機能も充実しています。
特長
✅社内分析と自社サービスへの組み込みの両方に対応する高機能BIツール。
✅ワンクリックで自動分析や異常検知を行い、ビジネス上の気づきを即時にレポート。
✅100% Webベースでインストール不要。クラウド・オンプレミス・ハイブリッド、どの環境でも導入可能。
✅エンドユーザー向けの組み込みBI機能にも強みを持ち、SaaS事業者などからの評価が高い。
料金プラン
💰 指名ユーザーライセンス：小〜中規模向け、ユーザー数に応じた料金。
💰 サーバーライセンス：大規模向け、CPUコア数などに応じた料金。
💰 組み込みBIプラン：自社サービスへの埋め込み用、カスタム価格。
＊ 30日間の無料トライアルがあるため、使い勝手を試すことが可能。
導入企業の事例
💡NTTドコモ：ユーザー特性の分析により、アクティブ率向上を実現。
💡デンソー：BI活用基盤を構築し、現場レベルでデータ分析文化を浸透。
💡京王百貨店：紙帳票を大幅に削減し、DX化を推進。
まとめ：7つのBIツール早わかり比較
| ツール | 特長 | 料金目安 | こんな方におすすめ |
| Tableau Cloud | Salesforce連携・直感的な可視化。クラウド型で常に最新環境。 | 月額¥4,200～¥13,800 | 使いやすさと拡張性を両立したい。Salesforceを利用中の企業。 |
| Power BI | Microsoft 365との高い親和性。ドラッグ&ドロップ操作が簡単。 | 月額¥0～¥2,998 | 既にMicrosoft製品を活用している企業。無料から始めたい。 |
| Zoho Analytics | AIアシスタント搭載、低コスト。500以上のデータソース対応。 | 月額¥0～¥30,000 | コスパ重視で、多種多様なデータ分析を手軽に始めたい中小企業。 |
| Domo | リアルタイム分析重視、レポート自動化。大規模導入にも強い。 | 要問い合わせ(トライアル無料) | リアルタイムのKPI監視・自動化を推進したい大規模組織。 |
| Qlik | AI・機械学習に強い次世代BI。データ探索エンジンが特徴。 | 月額$825～ | AI活用を重視し、大量データをリアルタイムで分析したい企業。 |
| Looker Studio | Google製で無料。800以上のコネクタ。チームコラボも簡単。 | 無料(一部Pro有料) | 無料でまずはBIツールを試したい方。Google Analytics連携を重視。 |
| Yellowfin | 社内利用と組み込み両対応。自動分析＆異常検知が便利。 | 要問い合わせ(トライアルあり) | 自社サービスにBI機能を埋め込みたい。グローバル展開・大規模導入。 |
選ぶ際のポイント
📍 導入の目的・ゴールを明確にする
「営業実績を可視化したい」「在庫をリアルタイムで把握したい」「組み込みBIを提供したい」など、目的に合った機能が備わっているか確認しましょう。
📍 既存システムとの親和性
Microsoft 365やSalesforce、あるいは社内独自システムなど、利用中のプラットフォームとスムーズに連携できるかどうかが重要です。
📍 予算と拡張性
初期費用や月額料金だけでなく、チームが拡大したときのライセンス費用も考慮しましょう。DomoやQlikのように従量制（クレジット制）がある場合は、運用コストを試算してから導入するのがおすすめです。
📍 運用体制・サポート
社内で分析チームを育成するのか、外部コンサルに任せるのかを事前に検討し、サポート体制の充実度やトレーニングプログラムの有無もチェックしましょう。
📍 実際にトライアルを試す
無料トライアルが用意されているサービス（Tableau Cloud、Power BI、Zoho Analytics、Domo、Yellowfinなど）が多いので、実際に操作し、UIや分析速度を確認するのが一番です。
まとめ
本記事では、主要なBIツール7選を比較しながらご紹介しました。BIツールを選ぶ際は、「自社にとって使いやすいか」「既存システムとの連携」「目的達成に必要な機能」「予算やライセンス形態」「サポート体制」の5つを重点的に検討しましょう。
まずは無料トライアルから利用し、実際に操作感を確かめるのがおすすめです。
自社のビジネスモデルやデータ活用レベルに合ったBIツールを導入し、データドリブン経営を実現してみてください。