楽天モバイル法人契約はお得か?

楽天モバイル法人契約はお得か?

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企業や組織において、業務効率化やコスト削減を図るためには、通信環境の見直しが重要な課題の一つになります。特に、社員のモバイル端末にかかる月額料金や通話料などは、事業規模によっては無視できない出費となるでしょう。こうした中で近年注目を集めているのが、楽天モバイルの法人契約です。

楽天モバイルは、後発ながら独自の料金プランと楽天経済圏との連携を武器に市場に参入し、さらに全国規模での自社回線整備を進めています。では、実際に楽天モバイルを法人として契約する場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。本記事では、楽天モバイル法人契約の特徴や導入の検討ポイントを詳しく解説していきます。

楽天モバイルの法人契約とは?

ビジネスデータを共有するスマートフォン

楽天モバイルは、かつては大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)の回線を借りて格安SIMとしてサービスを提供していましたが、2020年以降は自社通信回線を整備し、いわゆる「第4のキャリア」としてサービスを拡大中です。個人ユーザー向けに独自の料金プラン「Rakuten UN-LIMIT(現・Rakuten最強プランなど)」を提供しつつ、企業向けには複数回線をまとめて導入できる法人プラン・サービスを展開しています。

法人契約で楽天モバイルを利用する場合、以下のような特徴やメリットが期待できます。

🔹 シンプルな料金体系

楽天モバイルのプランは比較的シンプルでわかりやすく、従量制や定額制を組み合わせた形となることが多いです。会社ごとに契約する台数や用途に応じて最適なプランをカスタマイズしやすいのも特徴です。

🔹 通話かけ放題サービス

「Rakuten Link」と呼ばれる専用アプリを利用することで、国内通話が定額(かけ放題)になる仕組みが導入されています。営業社員など通話頻度が高い業務の場合、通話料金の圧倒的な削減効果をもたらす可能性があります。

🔹 楽天経済圏との連携

楽天グループが提供する各種サービス(楽天市場、楽天ポイント、楽天銀行など)との連携により、ポイントの還元や他サービス利用時の優遇といったメリットが見込めます。特に、経費精算をポイントで賄ったり、法人での楽天市場利用の効率化を図ったりする際に相乗効果を発揮することがあります。

法人向けの主な料金プラン・サービス概要

スマホ販売店

楽天モバイルの法人契約には、個人向けと同様に「段階制料金」が導入されたプランやオプションサービスがあります。たとえば、2023年時点でよく知られているのは「Rakuten最強プラン」に相当する仕組みであり、データ使用量に応じて月額料金が変動する形が基本となっています。また、法人向けには以下のようなサービスや機能もあります。

🔹 複数回線一括管理

企業が契約した複数の回線を一元管理できる管理者ポータルが提供されています。回線の追加・削除、利用状況の確認、オプションの付け外しなどをオンライン上で完結できるため、社内の総務担当者や情報システム部門の負担を軽減します。

🔹 法人専用サポート窓口

法人顧客向けの専用サポートデスクがあり、運用面やトラブル発生時に迅速な対応を受けやすい環境が整えられつつあります。大手キャリアと比べるとサポートの拠点数はまだ限られていますが、問い合わせチャネルが用意されている点は企業利用にとって安心材料になります。

🔹 IP電話・内線機能の拡張

楽天モバイルは、IP電話の技術を活用して「Rakuten Link」アプリ内で通話やチャットを行います。これをさらに社内内線化へ応用する事例や、固定電話との併用でコスト削減を図る事例も見られます。具体的な導入にはオプションの検討が必要ですが、電話代行サービスやコールセンター運営企業なども含めて活用の幅が広がっています。

楽天モバイル法人契約のメリット

タブレット端末を操作する人

楽天モバイル法人契約のメリットをご紹介します。

3.1 コストパフォーマンスの高さ

最大のメリットはやはりコスト削減効果です。大手キャリアの法人プランと比較すると、楽天モバイルの月額基本料金や通話料は圧倒的に安価に抑えられる可能性があります。以下のような場面で特に効果を発揮します。

🔹 通話の多い営業社員を多数抱える

営業職が多い企業では、国内通話かけ放題の仕組みによって通話料金を気にせず連絡が可能になります。従来の通話課金型プランでは想像以上の通話料がかかっていたところを、大幅に削減できるケースがあります。

🔹 データ通量に個人差がある

データ通信量が少ない社員が多い企業においては、段階制の料金体系をうまく利用することで無駄なコストを回避できます。一方で、月によって使用量が変動しやすい社員にも柔軟に対応できるため、総合的に見てコストメリットが大きくなることがあります。

3.2 管理のしやすさと導入ハードルの低さ

大手キャリアで法人契約を行う場合、比較的煩雑な手続きを必要とする場合があります。一方、楽天モバイルではオンライン上での手続きが充実しているため、申し込みから利用開始までのプロセスを短期間で完了できることが多いです。また、複数回線をまとめて契約する際も、回線追加やオプションの申し込みが管理者ポータルで簡単に行えます。

さらに、楽天モバイルの法人契約を導入する企業の中には「まずは小規模部署で試験導入し、その後全社導入へ拡大する」というステップを踏むところもあります。このように段階的な導入がしやすい点は、通信品質やサポート面の不安を解消しながら導入を進めるうえで大きなメリットです。

3.3 楽天経済圏とのシナジー効果

楽天ポイントや楽天市場、楽天銀行、楽天カードなど、楽天グループが展開するサービスを日常的に利用している企業にとっては、楽天モバイルの導入でさらなるポイント還元や支払いのスムーズ化を図ることが可能です。例えば、楽天ポイントの利用範囲は個人利用だけでなく法人経費にも適用可能な場面があるため、総支出を抑える効果が期待できます。

また、楽天市場での仕入れや備品調達を行う企業であれば、ポイントアップキャンペーンの恩恵を受けやすく、通信費の見直しと併せて総合的なコスト削減を実現できます。こうした「経済圏の活用」は大手キャリアには真似しづらい強みであり、楽天モバイルならではのアドバンテージといえるでしょう。

楽天モバイル法人契約のデメリット・注意点

抽象的な矢印の方向。技術背景。高速

楽天モバイル法人契約での注意点をご紹介します。

4.1 通信エリア・通信品質

楽天モバイルは独自の基地局を増やしながら全国対応を進めていますが、大手3キャリアに比べるとまだエリアが狭い地域があります。特に地方の山間部や地下、建物内などで十分な電波が届かないケースがあるため、社員が対応エリア外に出張する機会が多い企業では注意が必要です。

また、通信速度や品質はエリアや時間帯、建物の構造によっても左右されます。大手キャリアでは電波が届きやすい場所でも、楽天モバイルではつながりにくいといったケースがあり得るので、導入前には実際に使う地域での電波状況や通信速度をチェックすることが重要です。

4.2 サポート体制の拡充途上

楽天モバイルは全国に店舗を展開しつつありますが、その数は大手キャリアと比較するとまだ少なめです。トラブル時に対面サポートを希望する企業にとっては、近隣に店舗がない場合、迅速な対応を受けづらい可能性があります。ただし、オンライン・電話サポートの拡充や法人向け専用窓口の整備が進んでいるため、対面サポートを重視しなければ大きな障壁とはならないケースも多いでしょう。

4.3 国際ローミングや海外利用への対応

グローバルに事業を展開している企業や、海外出張が多い企業の場合は、海外でのローミング対応が十分かどうかを事前に確認する必要があります。楽天モバイルでも海外ローミングサービスを提供していますが、大手キャリアに比べると提携先や対応国・地域に差がある可能性があります。頻繁に海外に出張する社員が多い場合は、ローミング費用と利便性を慎重に比較検討したほうがよいでしょう。

4.4 導入時の業務負荷や運用ポリシーの再構築

大手キャリアから楽天モバイルに乗り換える場合、回線の切り替えや端末の調達方法、社員への周知・教育などが必要になります。特に社内でMDM(モバイルデバイス管理)システムを活用している場合、楽天モバイルとの互換性や設定の変更が必要となるケースもあります。こうした導入時の業務負荷や運用ポリシーの再構築に伴うコストが発生しうるため、計画的に進めることが欠かせません。

楽天モバイル法人契約は本当にお得か?判断ポイント

チェックマークと木の四角

ここまで、楽天モバイル法人契約のメリットとデメリットについて整理してきました。最終的に「お得かどうか」を判断するには、自社の通信利用状況を丁寧に分析し、下記のポイントを総合的に検討する必要があります。

🔹 コストシミュレーション

通話時間やデータ通信量をもとに、現在の大手キャリアとの料金差を試算してみましょう。たとえば、通話が多い社員にはかけ放題の恩恵が大きい一方、データ通信を大量に使うユーザーが多い場合は想定よりもコストが上がる可能性があります。

🔹 エリアカバー率の検証

業務エリアや出張先での電波状況を確認することは必須です。必要に応じて社員からのフィードバックを得たり、短期間だけ試験的に導入するなどして、実際の利用感を把握することが望ましいです。

🔹 法人向けサポートの評価

企業によっては、万が一のトラブル時に迅速に対応できるかが死活問題になります。楽天モバイルの法人サポート窓口や店舗数、オンライン問い合わせフォームのレスポンスなどを考慮して、自社の要求水準を満たしているかを確認しましょう。

🔹 楽天経済圏の活用度合い

既に楽天銀行や楽天カード、楽天市場などを導入している企業ならば、ポイント還元や決済周りの利便性を含めた「全体最適」で通信費の削減以上のメリットを享受できる可能性があります。逆に、楽天の他サービスをあまり使っていない企業であれば、そのメリットは限定的となるかもしれません。

🔹 リスクヘッジの観点

自社のモバイル回線をすべて楽天モバイルに一本化した場合のリスクも考慮する必要があります。エリアや通信品質に不安がある場合、拠点や用途によっては他キャリアを併用する、あるいはWi-Fi環境を整備して通信を補完するなど、回線障害や災害対策の面で複数の選択肢を用意しておくことが重要です。

導入プロセスの例

品質向上 効率化 スピード コスト削減

ここでは、楽天モバイルを法人導入する際の一般的なプロセスの一例を示します。自社の状況に応じて流れをカスタマイズしながら導入を検討してください。

🔹 現状分析と要件定義

📍社員の通信利用状況(通話量、データ使用量、頻繁に出張する地域など)をヒアリングし、必要な要件を洗い出します。

📍 大手キャリアの法人契約と料金・サービス内容を比較し、導入の意義や目標を明確化します。

🔹 小規模テスト導入(PoC)

📍一部の社員や部署で楽天モバイル回線を試験的に導入し、実際の通信品質や業務影響を確認します。

📍テスト期間終了後に問題点や改善点を洗い出し、正式導入の判断材料とします。

🔹 正式導入計画の策定

📍全社導入する場合の具体的なスケジュールや予算配分を決めます。

📍端末の調達方法(社員所有の端末を利用するBYODなのか、法人で端末を一括購入するのか)や、MDMシステムなどの社内ルールを見直します。

🔹 導入教育と運用開始

📍社員への通達やマニュアル整備を行い、通信端末の使用方法やトラブル時の連絡先を周知します。

📍運用開始後も定期的に利用状況をモニタリングし、問題があれば早期に対処します。

🔹 効果測定と継続的改善

📍通信コストがどれくらい削減できたか、通話品質はどうかなどを客観的に評価します。

📍定期的に社内ヒアリングやアンケートを実施し、必要に応じてプラン見直しや追加オプション導入を検討します。

事例から見る効果と課題

MERIT;コンセプトの「MERIT」の文字が入った木製ブロック。

実際に楽天モバイルを導入した企業の事例を挙げてみると、以下のようなメリットと課題が見えてきます。

<メリット例>

📍毎月の通信費を半減:大手キャリアの通話料金と比較して、営業部門の通話コストが大幅に下がった。

📍ポイント還元で備品購入コストを軽減:楽天市場での備品調達時にポイントを活用し、実質的な経費削減につながった。

📍オンライン手続きで管理が効率化:多拠点に社員がいる企業でも、ポータルサイト上ですべて手続きが完了し、店舗に行く負担が減った。

<課題例>

🔹 地方の営業拠点で電波不安:山間部や地下で接続が不安定になり、メインキャリアとして運用しづらいケースがあった。

🔹 海外ローミング費用:海外出張が多い部署では、ローミングオプションの費用を検討する必要が生じ、大手キャリアとの差が小さくなった。

🔹 サポートの即応性:対面で対応できる店舗が少ない地域では、トラブル発生時に店舗対応を希望する社員から不満の声が出た。

楽天モバイルを導入すべき企業・導入を再考すべき企業

ビジネス出張

📍導入が向いている企業📍

✓国内通話がメインで海外出張が少ない

営業・電話対応が主で国内利用に限定される企業であれば、かけ放題のメリットを最大限に享受できます。

✓楽天経済圏を活用している

楽天ポイントや楽天市場を利用している場合、法人契約を楽天モバイルに切り替えることでポイント還元や連携メリットが大きくなり、コスト削減と業務効率化の両面で効果が期待できます。

✓通信エリアが整った都市部中心の事業

都市部を中心とした業務であれば、エリアカバーの問題が比較的軽減されるため、快適に利用できる可能性が高いです。

🔹導入を再考すべき(慎重な判断が必要な)企業🔹

✓地方や海外出張が頻繁な企業

通信エリアやローミング費用の問題で、大手キャリアと同等のサービスを期待しづらい場合があります。

✓対面サポートを強く求める企業

トラブル時に迅速な対面サポートが必要不可欠な事業形態の場合、店舗数の少なさがネックになる可能性があります。

✓特殊なアプリケーションやMDM運用を行っている企業

大手キャリア向けに最適化されたシステムを利用している場合、楽天モバイルへの移行が円滑に進まないケースがあるため、事前の検証が欠かせません。

まとめ

楽天モバイルの法人契約は、コスト削減と業務効率化を狙う企業にとって非常に魅力的な選択肢となり得ます。特に国内通話のかけ放題や、楽天経済圏との連携によるポイント還元などは、他の大手キャリアにはない大きな強みです。一方で、通信エリアの問題やサポート体制の充実度といった課題も存在し、すべての企業に対して一律で最適というわけではありません。

最終的に導入を検討する際には、以下のステップを踏むことが推奨されます。

1️⃣自社の通信実態を把握し、コストシミュレーションを行う

2️⃣ 小規模でのテスト導入や、社員からのフィードバック収集を実施

3️⃣ 大手キャリアとの比較や、リスクヘッジ策も含めた総合的な判断

こうしたプロセスを経ることで、楽天モバイル法人契約が自社にとって「お得」かどうか、より正確に見極めることができるでしょう。導入に際しては多少の手間や調整コストが発生する可能性がありますが、それを上回るコスト削減効果や利便性の向上を得られる企業は少なくありません。通信コストの大幅カット、ならびに業務効率化を目指す企業担当者の方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

おわりに

通信費の削減は企業経営において極めて重要なテーマの一つです。特に、モバイル環境は社員の働き方改革やリモートワークの普及に伴い、今後ますます重要度が増すと考えられます。その中で、楽天モバイルは魅力的な料金プランと特徴的なサービスを提供しており、「費用対効果」の観点からは十分に検討する価値があります。

もっとも、大手キャリアには全国的に安定した通信品質や豊富なサポート体制、海外利用の充実など、長年培われてきた強みも数多く存在します。そのため、「すべての回線を一括で移行する」のではなく「部署単位で段階的に乗り換え、実績を見て最終的な判断をする」といった柔軟な戦略をとる企業が増えています。通信回線の選択は一度決めると長期契約になりがちなため、事前の下調べや試用は欠かせません。

本記事を通して、楽天モバイル法人契約のメリット・デメリットや導入の際のポイントなどを理解いただけたかと思います。今後の企業運営において通信インフラをアップデートしていく際には、ぜひ楽天モバイルも候補に入れ、比較・検討を進めてみてください。

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