ipartners株式会社代表取締役。大学卒業後、システム開発会社へ入社。約15年の勤務で経理/財務・人事(労務・採用)・総務・営業管理・債権管理等様々な部署の立上から安定運用までの責任者を経験。スタートアップ企業へ転職しコーポレート部門の立上げ、資金調達等を実施。現在は、ベンチャー企業を中心に7社を支援。クラウドツールやIT機器を利用し経理の月次決算を行う体制構築などの支援を行っている。
ーーSaaSビジネスにおいて新しいアプリをリリースされたとお聞きましました。
もう一つは、「カンタン! Uploader for Gmail」というものです。これには、通常版とfreee会計対応版があります。
一般に、取引先から請求書が送られてきたら、添付資料を手動でダウンロードして、所定のフォルダーに入れたり、freeeなどの会計ソフトのフォルダーに入れたりすると思いますが、ひとつずつメールからダウンロード→アップロードするのは、面倒ですよね。
そこで、Google work spaceであれば請求書受付アドレスに送られてきたメールを自動で見に行き、添付書類があれば所定のフォルダーに自動でアップロードするアプリを作りました。
新サービスにより効率化が実現可能
ーーこれを使うと効率化できるとおっしゃっていましたよね。
三浦 :そうですね。添付書類を手動でダウンロードするという手間とフォルダーにアップロードするという手間がない、という点で実に効率的です。
それに加えて、手動では、うっかり一個飛ばしてしまったということがありますが、これも避けられます。例えば、月末にまとめてタスクをこなすことが多い中、月中に来たメールの作業が漏れてしまうことがありがちです。こういった漏れがなくなります。
所定のフォルダーを開き、何も入っていなければ無視できるし、入っていればそれを処理する。都度そのフォルダーが空っぽになるようにしていくという運用をやっていると、早く来るものは早く処理が出来、入ってきたら処理する、要らないものがあったら削除していくということを日々できます。
ダウンロードURLやパスワードには対応していませんので、これらは手動でやる必要はありますが、事例でいうと、200件規模でメールを処理している会社では、180件くらいは自動化できています。ダウンロードリンクのメールなど手動で対応しないといけないものだけリスト化しておいて、それだけ月初に検索して処理するという形で、効率化が出来ています。9割方自動化できています。
ーー料金はかかりますか?
三浦 :かかります。「カンタン! Uploader for Gmail」通常版とfreee会計対応版は、グーグルが指定するセキュリティー会社のチェックを受け承認される必要がありましたので、有料になります。
ーー「カンタン! Uploader for Gmail」で、freee会計版との違いは何ですか?
三浦 :freee会計対応版(カンタン! freee会計Uploader for Gmail)では、freeeのファイルボックスへアップロードまで行います。そういう意味では、最初にfreee会計にまでアップするか、フォルダアップまでにするかなど検討してもらい、どちらがよいか決めてもらう必要があります。
一方、freeeの文字が付かない「カンタン! Uploader for Gmail」は、メールからフォルダーに上げるという機能のものです。こちらは、海外でもやろうと思っています。今、英語版も準備している状況です。
現在の支援体制について・サービスが生まれた背景
ーー現在の御社の取り組みをお聞かせください。
三浦 :バックオフィス支援、このようなアプリ開発、システム開発などをやっています。バックオフィス支援は、約15社とお取引があります。
ーー新しいサービスが生まれた背景は?
三浦 :新しいサービスは、バックオフィス支援の中で、業務効率化のためにアップローダーを作ったことに始まります。皆さんすごく便利だということで、販売できるようにしようということになりました。
ーー新しいSaaSビジネスはマネタイズされていますか?
三浦 :まだですが、「カンタン!残高」は、50社以上使っていただいています。アップローダーシリーズや「資金繰りのもと」は、20社以上の取引先で使っています。販売前から、20社が使っています。
ーーPoC段階で20社が使っているとなれば、十分検証されているということですよね。
三浦 :そうですね。簡単な操作なので評判が良いです。3,4分くらいで設定ができ、その後は自動でアップロードできていますので。
ーー今後も、管理部門を中心としたDX化をどんどん進めていく支援をされる感じでしょうか?
三浦 :管理部門の業務を軽減するためのツール開発をしていきたいと思っています。
他社ツールとの違いについて
ーー同じようなツールに例えばBill Oneがありますが、違いは?
三浦 :Bill Oneは大掛かりな業務切り替えが必要になります。詳細は省きますが取引先含め全社で業務運用を変更する必要がありますが、「カンタン! Uploader for Gmail」は、今使っているメールアドレスやフォルダを使って自動化するので、業務運用を変更する必要がありません。
ーーBill Oneと連携したりできるのですか?
三浦 :Bill OneさんはAPIを公開していないと思うので連携はしていませんが、オペレーションで連携させることは可能だと思います。
同じバックオフィスの支援ですが、私どものツールは「自動でアップロードしてくれる」便利なツールとして、ご活用いただけるのではないかと。
ーーこれらのサービスの導入者数を増やしていくことを考えていらっしゃいますか?
三浦 :そうですね。どんどん使っていってもらいたいです。
freeeアプリでは、無料でやっています。特に、freeeを使っている方には、いいなと思っていただけると思います。他にも無料サービスをやっていますので、多くの方に使っていただきたいと思っています。
ーー基本は、無料で出してるということでしょうか?
三浦 :freeeだけでしか使えないものは、無料で出していこうと思っています。
Googleやfreeeの間を取り持つものは、コストがかかっていますので、そちらは有料になっています。
ーーSaaSは、運用コストがかかりますよね。
三浦 :そうですね。維持費などで、コストがかかります。一方で、機能的には、シンプルにしているので無料で出せるんです。
ーーアプリケーションが複数あったりするとそれぞれの仕様に合わせてといったコストがかかりますよね。
三浦 :セキュリティーを考えないといけない、競合があるのでバージョンアップしていかなければならない等があると、開発メンバーを雇用したりでコストがかかってきてしまいます。
その点で維持費を抑えられているので、freeeさんのデータを抽出して確保していくタイプは、基本的には無料にしています。
ーー逆にいうと、Googleの方が維持費がかかるということですね。
三浦 :はい。ISOなどと同じセキュリティーを毎年やらないといけないので。
ーーGoogleさんもセキュリティーが厳しくなってきていますよね。
三浦 :Gmailを操作する要素が入るとセキュリティーが一気に厳しくなりますね。
ーー海外での展開をされていると聞きました。
三浦 :「カンタン! Uploader for Gmail」は、GoogleがベースなのでGoogleを利用していれば利用できます。50枚以上の請求書処理になったら、有料でもシステムを使った方がコスパがよく、タイムリーで正確な処理が出来るので、アメリカなどでの引き合いも十分あると思っています。3,40人以上の規模の会社なら、これを入れれば費用対効果はしっかりでると有りだと思います。
ーー後は、オペレーションをどう作るかですよね。
三浦 :そうですね。よくある方法としてはkeiri@やinvoice@などの請求書受付アドレスを整備すれば、そのアドレスに設定をするだけなので簡単です。
メールに添付されていれば、添付書類は全てアップロードされます。指定のフォルダーがあるので、中をみて、処理をするだけでよいのです。
例えば、個人事業主の方が、そのフォルダーだけ税理士さんと共有しておいて、上がってきたものを処理してくださいと伝えておくのもよいと思います。必要な人とフォルダーを共有しておくことで、効率化が図れます。
ーーフォルダの共有はどこでですか?
三浦 :フォルダーの共有は、Google ドライブです。メールからアップロードするフォルダーを指定するだけです。
請求書受付アドレスに送ってもらうと、自動でアップロードされます。「カンタン! freee会計Uploader for Gmail」では、さらにfreee会計のフォルダーにアップロードされる機能がついています。
とても、使い勝手のよいツールだと思っています。
ーー本日は、お時間をいただきありがとうございました!
以下は三浦さんが開発されたサービスで今回採り上げたものになります。是非、活用してみてください。
<サービスLP>
カンタン! freee会計Uploader for Gmail
https://ipartners.page/uploader/
<freeeアプリストア>
カンタン!Uploader for Gmail freee会計対応版
https://app.secure.freee.co.jp/applications/18554
カンタン!資金繰りのもと