みなさん。こんにちは。今回は転職マーケットにはいない即戦力人材を、最速で採用できるサービス「SOKUDAN(ソクダン)」を運営している田根 靖之氏へのインタビュー記事を掲載します。成長企業によるフリーランス・副業人材活用方法についてお伺いしました。
大学卒業後(株)ベンチャー・リンクに入社しコンサルタントに従事した後、女性フィットネス「Curves」を創業メンバーとして事業立上げ、営業マネジャーとして業界内店舗数No.1の企業に牽引。その後2009年 楽天(株)入社、楽天インサイト(株)執行役員に就任。事業部全体の戦略、セールス、マーケティング、新規事業立ち上げ、採用、人事等に従事。
2015年CAMELORS(株)を創業、代表取締役社長に就任。2019年6月 最速の複業マッチング 「SOKUDAN(ソクダン)」 β版ローンチ。
ーー御社のサービスについて教えてください。
田根 靖之氏(以下、略称):「SOKUDAN(ソクダン)」という転職マーケットにはいない即戦力人材を、最速で採用できるサービスを運営しています。
フリーランスや副業方が登録しているマッチングプラットフォームにはなりますが、最近では業務委託としてマッチングしてから稼働後に正社員として採用する動きもでてきており、新しい採用手法の一つになってきています。
登録者数はおかげさまで急速に増えており約65%がフリーランスで残りが副業で構成されてます。年齢層は20代後半~40代前半が9割近くになりミドルクラスの人材が大半です。多くは一定期間の専門業務をやっている人が集まっており、職種でいいますと、エンジニア、マーケター、営業、事業企画、クリエイターが多いです。また、掲載から最短1日でマッチングができます。
ーーお客さんの規模はどんな感じですか?
田根:そうですね。スタートアップ企業が比較的多いですが最近大企業での活用も増えてきています。特に大手企業の場合は新規事業立ち上げ責任者を採用したいニーズがありまして、そういうケースで活用していただいています。
ーーなるほど、確かにそういう人材は正社員では雇用するのは難しいですよね?
田根:そうですね。例えば1年ぐらい時間をかければ、そういう人材を見つけることはできるかもしれません。ただ、即戦力の人材や専門領域に精通したニッチな人材はほとんどの場合、採用するのにかなりの時間を要してしまうケースが多いです。
あるメガベンチャーの新規事業の立ち上げの人材募集の場合、社宅事業の領域を知っており、事業を作れる人を求めていらっしゃいました。適切な人材を探すのになかなか見つからず苦労されていらっしゃったときに、SOKUDAN(ソクダン)を活用することでたった数週間で見つけることができました。
また、大手企業においても、家事代行の新規事業プロジェクトを立ち上げることになりましたが、業務に詳しく、かつビジネスを立ち上げた経験がある人を求められました。同じくSOKUDAN(ソクダン)を活用することで数週間で見つけることができました。
やはり、経営においてスピードは大事です。企業が即戦力人材を最速で採用できるということを1つのバリューとして提供しています。なので、絶えずシステムの改修、サービスの改善を繰り返しています。
また、中小企業やベンチャー企業においては、即戦力人材層を正社員として採用する場合、お金をかけても時間がかかるという問題が発生しています。即戦力人材をすぐに採用できないです。そのため、正社員ではなく、フリーランスを活用していただくということでSOKUDAN(ソクダン)の利用をお願いしています。その会社のマーケターとして、エンジニアとして事業の成長に伴走するようなフリーランスの方をマッチングするのをお手伝いしています。
ーーちなみに、即戦力人材はどのような経由で登録していますか?
田根:そうですね。いくつかあるうちの1つは広告経由になります。もう一つは自然流入です。実際、いまは殆どが自然流入になり、メディアなどでご紹介いただいたりするケースも増えてきてます。
ーー「SOKUDAN(ソクダン)」を立ち上げた経緯について教えてください。
田根:もともと、私は楽天に所属していましたが、ITサービスを立ち上げるために独立をしました。ただし、そのサービスが立ち上がるまでの間も稼がなければならないため、フリーランスで業務を受託していました。
当初は友人から仕事をもらいつつ行っていましたが、自分からも積極的に営業して仕事を取りに行っていました。しかし、新規開拓は難しいなと思った出来事が幾つかありまして、顧問を紹介するエージェントに登録しました。
エージェントに関しては結構手数料を取られたり、そもそもミスマッチということがありました。フリーランスとして自由な働きをしたいと思っても、新規開拓で新しい仕事を得るときに、自分の実力を証明することが非常に難しいなと思いますが、一方でそれに応えるサービスがありませんでした。
業務委託の領域でエージェントや関連するサービスは他にもありましたが、それらでは解決できませんでした。なので、ビジネス領域における信用プラットフォームを作ることで、課題を解決したいと思いました。
特に目の前のお客さんや業務に真摯に対応してパフォーマンスを出せるような優秀な人でも、ソーシャルが弱い人は一定数いて、そういう人たちにもスポットライトが当たるようなサービスをやりたいと思いました。なので、ヴィジョンとして「信頼されるひとがどんな世界でも挑戦できる世の中をつくりたい」というのを掲げています。
ーーサービス始めた当初のお客さんの反応もしくは評判はいかがでしたでしょうか?
田根:そうですね。企業とフリーランスの方が直接、SOKUDAN(ソクダン)上で契約できる座組みがあったので、一定のニーズを掴むことができたと思います。
ただ、立ち上げ当初は求人の内容が適当であったり、その他のいくつかの要因で、マッチングがうまくいかないケースがありました。そのためオペレーションを大きく見直しサービス改善させたことで、マッチング率を上げてサービスの品質をあげることができました。
ーーSOKUDAN(ソクダン)をうまく活用している会社はどういう感じの会社になりますか?
田根:そうですね。正社員と業務委託の人材を区別しすぎない会社かなと思います。特に業務委託の方を採用した後において、依頼する業務に関する情報は最大限公開して、コミュニケーションをしっかり取っているような会社がうまく活用しているかなと思います。
とにかく、通常業務でも飲み会でもどんどん、業務委託の方を巻き込み、一緒に事業を成長させるのに伴走する環境づくりが大事かなと思います。
また、業務委託の方に依頼するにあたって、どういう課題を解決したいのかを事前に明確にしていただき、それを整理したうえでどういう人材が必要かを明確にするということでしょうか。それができている企業においては依頼内容がハッキリしているので上手くいっています。
さらに、依頼する職種や業務についての範囲も決めた方が良いです。例えばマーケティング業務であれば、戦略、実行、対応範囲について上流か下流かまでを決めたほうが良いです。
ーーSOKUDAN(ソクダン)を活用している会社はまだ少ないですか?
田根:そうですね。まだ世の中的には、企業の人材採用方針として、フリーランスの方や副業の方を活用しようと意思決定している企業はまだ少ないと思います。
やはり、そういう企業の場合は正社員でないとうまく仕事がまわらないのでは?とか何を依頼していいのか?どこまで業務をお願いできるかがイメージつかないケースが多いかと思います。
企業によっては、正社員ではないと情報が共有できないし、お願いする仕事が限定されるので難しいと考えるところもあります。固定観念かと思いますが。
ーーそういう固定観念をもっていたが、SOKUDAN(ソクダン)を活用している例はありますか?
田根:あります。当初はそういった考えをもっていたけれど、採用方針を変えていったケースは結構あります。とはいえ、実際には特に地方企業においてはまだまだかなと思います。一方で、最近は自治体や銀行が我々のようなサービスの活用をバックアップしはじめる動きが出てきていますので、今後首都圏以外の領域でも増えていくと思います。
ーー今後について教えてください。
田根:今は、業務委託へのマッチングをメインにしていますが、業務委託から正社員へのステップアップするケースがどんどん増えてきておりますので、新しい採用方法としてよりご利用いただけるシーンは増えてくると思っています。またこれから労働人口の減少が加速していく中で、SOKUDANを通じて個がより挑戦できるようになることで人材がもっとシェアリングされて、結果として企業の成長や国の経済発展に欠かせないサービスに進化させていきたいと思っています。
ーー貴重なお話をありがとうございました!