みなさん。こんにちは。今回は「人と企業と世界をつなぐ」という理念のもとスタートアップ企業から上場企業まで10社の企業顧問をしている株式会社コネクトプラスの代表 柳生敏夫氏へのインタビュー記事を掲載します。成長意欲がある会社の共通点や、今後注目される分野やトレンドについて語っていただきました。
1999年、ITバブルの最中、ITベンチャー企業の取締役に就任。その後、システム開発を行う会社を起業、ガラケー向けコンテンツをキャリア・端末毎に自動生成するミドルウェアの事業買収を行う。
2008年、株式会社ブイキューブにジョインしグループ会社の株式会社ブイキューブネットワークスの代表取締役社長に就任。
2013年、株式会社ブイキューブの東証マザーズへの上場を機に翌年、株式会社ブイキューブネットワークスの株式をMBOにより100%取得。社名を株式会社コネクトプラスに変更して「人と企業と世界をつなぐ」という理念のもとスタートアップ企業から上場企業まで10社の企業顧問を兼務。
最近多い経営支援ニーズとは?
ーー今は何社ほど支援されていますか?
柳生 敏夫氏(以下、敬称略):10社ほどになります。人材派遣やSaaS、コンサルティング、PR会社などを支援しています。
ーー支援先は同じ業種ですか?
柳生:いいえ、1業種1社ということで被らないようにしています。
ーー顧問先の規模はどれぐらいですか?
柳生:結構バラバラです。スタートアップ企業の場合は10名〜30名程度です。700名規模の未上場企業もあれば、上場企業もあります。
ーーどのような支援が多いですか?
柳生:営業支援が多いです。特に営業体制を作る支援が多いです。IPOを目指す会社においては予実管理が重要になってくるため、予算よりも売上が下回ると上場が1年ずれたりするため、売上の作り方についてはある程度サイエンスして、再現性がある組織体を作る必要があります。
今までは、社長のラッキーで仕事が取れて売上が上がっていたケースにおいて、上場を目指すためには、組織的に動くことで、継続的に成長ができる体制を作らなければなりません。
具体的には、社長以外の営業担当が役割を全うすることで売上を上げる体制、例えば1人の営業担当が1日100件電話することでアポを1日1件取り、1ヶ月で20件のアポイントを獲得しその中から2件の受注を獲得するとした場合、そのために何をしなければならないのか?ということを落とし込み、地道に行うということを指導します。
ーー最近は、どういうことについて相談されるケースが多いですか?
柳生:テレアポ系の相談が多いです。コロナをきっかけに事務所を移転したり、電話受付を外部に委託するパターンが増えてきているため、
テレアポをしても突破できないケースが増えてきているためです。
一方で、ソーシャルセリングの指導も行っています。SNSのリテラシーが高い経営者は、自分のビジネスに刺さる提案がある場合は返答してくれるので、顧問先でそれをやらせるようにしています。
さらには、経営者向けに営業ということであれば、知り合いに経営者が多いため、私が直接紹介するというケースもあります。
ーー営業支援以外では、どのようなことをされていますか?
柳生:そうですね。資金調達系やベンチャーキャピタルの紹介。それらに附随する事業計画見直しのアドバイスも行っています。さらには、必要に応じてDX導入のコンサルティングも行っています。
ーークライアントにとって、柳生さんはどのような立ち位置になりますか?
柳生:どちらかというと、コンサルに近い位置かと思っています。月1回、2回会議に参加してアドバイスをします。まずは、経営者の壁打ちから始まり、それをどんどん深掘り、さらには、役員やミドルマネジメントの方々にアドバイスをするイメージになるかと思います。
プロ顧問が仕事を引き受ける基準とは?
ーー顧問を受ける際の基準はありますか?
柳生:もちろんあります。尖がったサービス、他にないサービスであることがまずは重要です。さらに、経営者やその周辺の方々の人となりを見たりします。あとは成長意欲があるか否かということでしょうか。
例えば、プライシングスタジオ社は顧問先になりますが、サービスの価格決定に関するプライシングに特化した企業になります。アメリカでは、プライシングは科学的な分析に基づいて行われていますが、日本では、まだえいやで決めているケースがあるため、データに基づいて説明ができるように、科学的に分析して理論をつくるコンサルティングをしています。
あとは、産業医が健康リスク診断し、解決策を提案するリバランス社も顧問先です。コロナが落ち着いてきてはいるものの、社員の健康管理を見直す会社が増えてきており、問い合わせが増えてきています。
プロが見る成長意欲がある会社の共通点とは?
ーー成長意欲がある会社の共通点はどのようなものですか?
柳生:未上場企業であれば、上場する意欲があるかどうかかなと思います。資金調達、エクイティでの調達はいずれはEXITが必要になりますが、基本は、IPOを目指すことになるかと思います。IPOを目指すということは、計画どおりに事業が進んでいないといけないので、必死さが違います。
ーーコミットはIPOまでというイメージですか?
柳生:IPOまでというケースもあれば、そうでないケースもありますが、その会社が私に対してどこまで求めているか次第かと思います。
新興市場の状況について、最近のトレンドとは?
ーー新興市場が半年前と比べて悪くなっており、IPOは難しくなってきていると思いますがいかがでしょうか?
柳生:そうですね。悪くなっているのは確かですが、新興市場の上場が少ないと日本経済が上がらない。政府や企業においては、新興市場を盛り上げないといけないと思っているため、冷え込みは一次的かと思っています。
また、それはトレンドが変わってきているだけなのかなとも思います。今年はSaaS系は色々とサービスが出てきており、お腹いっぱいな状況かもしれませんが、一方でweb3.0でIPOするケースが増えてくるかと思います。
さらに、最近ではSaaS型ビジネスモデルよりも「ものづくり」が注目されていているような気がします。
今は、自分たちの手弁当でカスタムモデルが作れ、それを投資家にちゃんとプレゼンするとお金が集まるようなことがあります。
そのため、大学発ベンチャーが注目されるのではないかと思います。
ーー今後はどのようなことをしたいですか?
柳生:そうですね。私は顧問先にとってハブとして繋げていくことも行っていますので、IPOまで支援することであったり、成長過程の中で経営に参画するということもやってみたいと思います。
ーー貴重なお話をありがとうございました!