国内では、少子高齢化による人口減少が加速する中、生産性向上や後継者問題が叫ばれています。
とりわけ、地方の中小企業は、厳しい状況におかれています。
そこで、注目すべきは、若者の積極採用です。
本稿では、なぜ若者の積極採用が必要なのか、そして採用のための方法をいくつかご紹介します。
採用活動が促進される背景
少子高齢化が進み、人口減少が加速する国内において、人手不足を先送りにはできない状況となっています。そのため、企業の規模を問わず、若手人材の採用と育成は、どの企業にとっても最重要課題なのです。
では実際に、地方の中小企業にとって、どのような問題の解決が必要なのか、みていきたいと思います。
生産性向上
一つ目の課題は、生産性の向上です。
近年国内では、少子高齢化を主な原因とする、労働人口減少による従業員不足が後を絶たない状況となっています。
また、労働環境の是正が叫ばれ、ワークライフバランスの重視や、働き方改革に伴う残業時間上限規制による労働時間短縮など、多くの企業が社員1人当たりの生産性向上を迫られています。
このような状況下で、大企業は規模の力によって生産性を高められている一方、中小企業の生産性は決していいスピードでは向上していないのが現状です。
後継者問題
二つ目の課題は、後継者問題です。
国内の企業数のほとんどは、中小企業が占めており、中小企業の存在は、日本経済を支える基盤と言えます。
しかし、近年COVID-19の影響など情勢の変化に対応しきれず、廃業を余儀なくされた中小企業が多くあります。
そして潜在的な問題の一つに後継者不足があり、対策を行われなければ、貴重な経営資源や技術などが失われることになります。
廃業という形で会社を終わらせないためにも、中小企業は真剣に後継者問題に取り組むと同時に、若手採用に今まで以上にコストをかけていくことが必要となります。
転出による労働人口の減少
三つ目は、転出による労働人口の減少です。
地方では進学や就職で地元を離れてしまう若者が多く、毎年転出超過が目立ちます。
やはり、地方は首都圏と比べると企業数が少なく、賃金の格差も残っているため、地方に住む若者の多くは上京を検討します。
その都市部でも労働人口の減少が起こっており、売り手市場は依然として続くと予測されます。どの企業も施策を講じなければ、求める人材を獲得することは困難でしょう。
そのため、地方中小企業は、魅力的な会社であることを一層、若者にアピールし、採用に力を入れていかなければいけません。
採用における課題と解決策
では、実際どのように課題を解決していけば良いでしょうか。
まずは、地方の中小企業が陥りやすい課題と、取り組む際のポイントを説明していきます。
ターゲットを明確にする
一つ目の課題点は、ターゲットが不明確になりやすい点です。
地方中小企業の問題点として、とにかく誰でもいいから採用したいという方針の企業が多い点が挙げられます。
もちろんこの方針でも一時的に人手不足を解消できますが、結局ミスマッチが起こり、採用活動がどんどん非効率化してしまいます。
採用ターゲットを定めないことは、かえって採用活動を困難にしてしまうことがあります。まずはターゲットを明確にすることが大切です。
ターゲットを明確化するには、まず自社全体の経営戦略を踏まえて、現状どんな人材が必要なのか、採用計画を立ててみることです。
そのうえで、具体的なペルソナを設計していきます。
この時のポイントとしては、単に漠然とした性格や特徴を考えるのではなく、より詳細なターゲット像を検討する必要があります。
詳細なターゲット像を訴求できなければ、求職者に自社が魅力的な会社だと伝わりにくいからです。
出来るだけ具体的なエピソードに落とし込んでターゲット像を考え、実際のターゲットへ訴求するようにしましょう。
そしてスキルや職種などの表面情報だけでなく、人物の背景ストーリーもイメージしながら詳しい情報を元に、設定していきましょう。
社内で共有する
二つ目の課題は、担当者ごとに異なる基準で採用してしまいやすい点です。
採用活動は、基本的に総務部や人事部などが複数人で業務に関わります。
そのため、採用に関わるメンバー全体で、ターゲットイメージや求める人物像に齟齬がないように、社内で採用活動の情報を共有し合う必要があります。
更に、採用に直接関わる部署以外のメンバーとも、採用活動の流れや進捗を共有し、積極的に関わってもらうことは、効果的です。
広報担当などが採用活動に関わり、例えば、自社のSNSアカウントや企業サイトなど、新情報を発信することでアピールに繋がるかもしれません。
他部署の社員も巻き込みながら、チーム一体となって採用活動に取り組めると、よい結果が見えてくるでしょう。
採用に関して、社内全体で共通認識を持ち、スムーズな意思決定をしながら採用活動に励んでいくことで、魅力を発信をし、自社の経営戦略に合った若手採用に繋げることがより可能になるでしょう。
おすすめの採用手法について
次に、地方の中小企業が採用を強化したい場合、どのような手法があるかご紹介します。
indeedの活用
一つ目の手法は、indeedの活用です。
indeed(インディード)とは、求人に特化した検索エンジンのことで、求職者が希望の「職種」と「勤務地」を検索すると、適当な求人を結果表示してくれるサービスです。
地方企業におすすめのポイントとしては、求職者であるユーザーは必ず「勤務地」を選択して検索する仕様となっているため、目に留まる可能性が高いことです。
Indeedはユーザーのニーズに合致すればするほど、上位表示される仕組みとなっています。ユーザーの多くに読まれることで、好循環が生まれます。従って、掲載する時には、わかりやすい言葉で、具体的な内容にすることが大切です。
Indeedは無料で掲載できます。また、有料にすることで、上位表示で露出を増やすこともできます。
採用代行会社へ依頼する
二つ目は、採用代行会社へ依頼するという手法です。
多くの企業が採用活動に注力する中、企業が応募者1人あたりにかける時間は増加傾向にあります。
そこで近年、このような煩雑な採用業務を外注する企業が増えてきています。
採用業務をアウトソーシングするサービスはRPOと呼ばれ、サービスの提供企業によって様々な特徴があります。
業務委託の内容は各企業によりますが、具体的には、募集要件や職種の管理、面接の手配、応募者の選定などをアウトソーシングすることができます。
近年の採用活動には、担当者に多大なマンパワーが求められるだけでなく、採用競争は年々激化し、採用活動に悩みを抱える企業も多いでしょう。
採用代行会社を活用すると、採用担当者は本来のコア業務に専念することができ、より質の高い仕事に繋がっていきます。
そして採用代行会社の中には、地方企業の支援に特化している会社もあり、より効果的な採用活動が期待できます。
外国人材の活用
三つ目は、外国人材を活用するという手法です。
現状、都市部への人材流出が地方企業の課題点の一つですが、これを短期的に食い止めることは難しいでしょう。また都市部からのU・Iターンも、思ったほど多くの数は見込めず、人口減少は更に加速しています。
そこで、外国人材を活用するという手法も検討してみると良いでしょう。
外国人材の採用経験のない企業からすると、外国人材を上手く活用できるか疑問を持たれるかもしれません。
例えば言語の壁や、長期的な勤務が難しい場合など、外国人材を採用することに対して不安な部分も多いでしょう。
そこで、日本で働く意思をもった海外の人材や、日本に在学中の留学生をターゲットとして採用することで、言語の問題も少なく、優秀な人材を採用できる可能性があります。
また近年は、採用代行会社で外国人採用をサポートするサービスも増えています。
ぜひサービス活用もしながら、質の高い採用活動を行っていきましょう。
おわりに
今回の記事では、地方中小企業が若者を採用するための方法について、ご紹介しました。
依然として日本の人口は首都圏に集中し、地方中小企業の採用活動は年々難しくなっています。
しかし自社の採用課題を洗い出し、ターゲットを明確にすることで、より効果的にターゲット層へアプローチすることができます。
採用活動を成功させるためには、具体的なターゲット設定と、効果的なターゲットへの訴求が重要です。
採用手法については、アウトソーシングやindeedの活用など効果的な方法があります。それぞれの特徴や強みを理解したうえで活用を検討してみるのもよいでしょう。
ぜひ視野を広げて採用活動をし、ミスマッチのない長く活躍できる人材を見つけていきましょう。