TON(The Open Network)は、分散型アプリケーション(DApps)、分散型ファイナンス(DeFi)、スマートコントラクトなどを支援するためのブロックチェーンプラットフォームです。
TON(The Open Network)は、もともとはメッセージングアプリTelegramの開発者であるパベル・デュロフと彼のチームによって開発されました。彼らはこのブロックチェーンプラットフォームを、高速で使いやすく、広範囲にわたるアプリケーションをサポートする目的で設計しました。しかし、Telegramは規制の問題により、2020年にこのプロジェクトから手を引きました。
その後、プロジェクトは「Free TON」として独立した開発者コミュニティに引き継がれ、さらに「The Open Network」として再ブランドされました。この独立したコミュニティによる開発と運営が現在も続いており、多くの開発者やユーザーが参加しています。
2023年にはTON Japanが設立され、TONブロックチェーンを活用したプロジェクトの立ち上げと成長を支援する日本のコミュニティとしての役割を担っています。TONJapan設立で、日本でのユーザー数の伸びが期待されています。
メッセージアプリのTelegramがあれば、誰でもTONを始められます。Telegram上でTONコインを手数料なしでユーザーと送り会うことができます。またTON Spaceはウォレットですが、ここでTONの他、複数の暗号資産を管理できます。
TelegramとTONブロックチェーン
Telegramは月間アクティブユーザーが約9億人という、世界的に普及しているメッセージングアプリです。一方、Lineのユーザー数は9,600万人であり、Telegramのユーザーベースは非常に大きいことがわかります。また、ほとんどのWeb3ユーザーがTelegramを利用していることでも知られています。
TONブロックチェーンは、Telegramが開発に関与し、Telegramと密接に連携しているブロックチェーンです。Telegram内にはウォレットやDAppsが組み込まれており、その時価総額は5.5兆円に達し、アクティブウォレット数ではEthereumを上回っています。
TONコインとは?
TONコインは、The Open Network(TON)の略称です。つまり、ブロックチェーンで使用されるネイティブ暗号資産のことを指します。このコインは、ネットワーク上でのトランザクション手数料の支払い、スマートコントラクトの実行、データストレージの購入、ネットワークガバナンスへの参加など、さまざまな用途で使用されます。
TONコインは、分散型アプリケーション(DApps)や分散型ファイナンス(DeFi)サービスに対するアクセスを提供し、ブロックチェーンのセキュリティとネットワークの分散化を強化するためにも使用されることがあります。また、このコインはコミュニティ主導で運営されており、開発者やユーザーによってその方向性が決定されることが特徴です。
また、TONコインの魅力は、ユーザーが多いテレグラム上で利用可能である点にあります。
テレグラムミニアプリがTONを加速
ミニアプリは、テレグラム上で展開されるブロックチェーンベースのDeFiアプリケーションです。これが月間アクティブユーザー約9億人を誇るメッセージングアプリであるテレグラムに導入されたことで、ユーザーは暗号資産に気軽に関わることができるようになりました。これは、いわゆるWeb3のマスアドプションを一気に加速させたと言えるでしょう。
テレグラムミニアプリは、テレグラムのチャット内で遊べるTap to Earn(タップして稼ぐ)ゲームで、ボタンをタップしてゲーム内ポイントを稼ぎ、TONコインなどの暗号資産を得ることができます。暗号資産を受け取るにはウォレットが必要です。人気急上昇中で月間アクティブ・ウォレット数は、2023年末の10万未満から2024年6月時点で540万以上に増加しています。今までのDappsとは桁違いのKPIが出ています。DAU5,000万人、3ヶ月で売上15億円と異次元な伸びです。
TONは円に換金できるのか?
TONを取り扱う日本の取引所の口座に移すことで日本円に換金できます。日本国内でトンコイン(TON)の売買ができる暗号資産(仮想通貨)取引所は、BITPOINT(ビットポイント)とオーケーコインジャパンの2つの取引所です。
TONが注目されている理由
TON(The Open Network)が注目されている主な理由は、その技術的な革新性と、広範なアプリケーションの可能性にあります。以下はTONの主な特徴です。
TONは、高速でスケーラブルなトランザクションを実現する設計が特徴です。これにより、大量のトランザクションを迅速に処理することができます。
また、開発者はTONプラットフォーム上でさまざまな分散型アプリケーションを構築し、デプロイすることができます。金融、ゲーム、社会的交流など多岐にわたるアプリケーションが生み出されています。
TONは、複雑なスマートコントラクトを実行する能力を持ち、自動化されたデジタル契約の実行が可能です。
仮想通貨TONコインを使用し、ネットワーク内でのトランザクションの支払い、手数料の支払い、NFTアート購入などが可能です。
ユーザーフレンドリーなインターフェースと機能を提供しているため、技術的な知識がないユーザーでも簡単に利用できることも魅力です。
TONの将来:いつの間に使っている状態へ
TONは、その技術が世界中で採用される潜在力を持っています。これは、多くの国々でデジタル金融の変革が進む中で、より多くのユーザーと市場にアクセスできることを意味します。これらの特性により、TONはブロックチェーンコミュニティ内外で注目を集め、将来的に多くの産業での応用が期待されています。
※参考文献
https://diamond.jp/crypto/market/ton/
https://coinpost.jp/?p=525945
https://coinpost.jp/?p=541399
https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-g/9798/